人間というのは、時として大きな過ちを犯します。

それも、

『何でそんなことをしてしまったんだろう?』

と、自分でも理解できないような過ちを。

或いは、だらしなかったり、横着をしたりしたことに対する"バチ"だったのかもしれません。

昨日は一日中、お布団を敷き放しにしておりました。いつもなら必ずといって良いぐらいたたむのに。

そうしてたためない(片付けられない)のが嫌だから、ベッドではなく和式のお布団を使っているというのに。

やがて暗くなり、思い立って台所へ向かいました。

そこで手にしたウイスキーのポケットボトルを右手に。左手にグラスを持とうとすると、左手の中には既にスマートフォンが握られています。

部屋に置いて来れば良いものを、何故かスマートフォンまで台所へ持って来てしまっていたらしいのです。

ふ。ばか。薄く笑って。

右手にウイスキー。左手にスマートフォン。そして左腕の肘の内側と、胸の辺りで挟むようにして、水の入ったグラス。

そう。グラスには水が入っておりました。

部屋にいる観葉植物……寒い時季は水やりを少し控えている……の土がカラカラに乾いているのが妙に気になって、別に慌ててやる必要もないのに、ましてや、グラスに一杯ばかりの水をくれたトコロで大した意味もないのに、その時は何故かやらなければならないと思ったのです。それも、これから自分がウイスキーを飲むのに使おうとしているグラスで。

これから使おうとするグラスで、ついでに植物へ水をやる。

その時は良いアイデアだと思いました。その時は。

こう書いて、ここまで読んで下さっている多くの方々は既に嫌な予感を抱いていると思います。

ああ、こいつは何かやるな。

そういう展開だな。

子供にだって分かりそうなものです。

そんな愚を俺は犯しました。

ご機嫌で部屋に戻ると、部屋の暑さが気になります。暖房(そこまでの寒さでもないので、ストーブでなくエアコンの暖房を入れていた)が効き過ぎていたのでしょう。

慌てる必要もなく、ウイスキーのボトルとグラスをどこかに置いて、ゆっくり対処すれば良いだけの問題です。

ところが、足下の布団の上にエアコンのリモコンを認めた俺は、まずスマートフォンを柔らかい布団の上へ落とし、そのままかがんでエアコンのリモコンを拾い上げようとしました。

胸に抱いている水の入ったグラスの存在も忘れて。

その時は部屋の温度のことしか頭になくて。

お水は、観葉植物にではなく、布団にくれてやりました。

今日は天気になりますように。

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