未来の俺へ。

そっちは元気か?

こっちは…余りかんばしくない。

色々と不安が多くて嫌になる。

おまえはいくつになる?まだ生きているか?

理由はどうあれ、死の臭いを強く感じている。

自分から死を選ぶのだか、他の理由で死ぬのだか。

おまえがこの手紙を読む頃には全ての決着がついているのかもしれないけれど、『令和元年の災厄』は未だ続いている。もう令和も二年を数えしばらく経つというのに。

風と埃と花粉がひどくて閉口したものだったが、土曜の昼間は暖かかったな。どうやらその風が今年の春一番だったらしい。

この冬は色々と妙な冬で、全体に寒さも緩かった。

もちろん、『暖かい』と感じるほどではないものの、『肌に痛みを感じるほどの寒さ』があっただろうか。

今年の東京は雪らしい雪も降らず、せいぜいちらつく程度で、町中が白に埋もれた景色を見てもいない。

楽といえば楽だな反面、同時に不気味ささえ感じたものだ。

同時に、何となく、桜の咲く頃とか、四月の辺りに

季節外れのドカ雪

に見舞われそうで、少し気になっている。

そんな春の記憶がないだろうか。

未来の自分に手紙を書いておきながら早々に自ら命を絶つのも何であるし、何事もなければまだ生きていたい気持ちはあるから、頑張ってはみるつもりだ。

おまえからの返事がないのが今はいささかつらい。

なるようになる

も裏返せば

ならぬことはならぬ

のだ。なるのか、ならぬのか。今はその答えがほしい。

おまえがのんきに暮らしているのなら、この今の俺の苦悩を笑ってやってくれ。

それを今は望んでもいる。

達者でな。

naany(43歳)