最近、他の方のブログを拝読させて頂くのが面白く、色々なキーワードで検索してはぼちぼち読んでいるのだけれど、長いこと更新されず、ネット廃墟と化しているブログを多く見掛ける。
リアルな廃墟は徐々に朽ちて行くが、ネット廃墟はいつまで経っても清潔で、一見しただけでは廃墟とは分からない。それでも最新の記事が「『ドラえもん』の声優が代わるんだって!」などという話題で、どうにも哀しい。

彼らに何があったのだろう。「これが最後の更新です」と、きちんと締め括られているブログは滅多にない。ほとんどが何気ない日常に触れ、ぷっつりと断たれている。
飽きてしまうことが多いのだと思う。余りアクセスがない、リアクション(コメント)が来ない、書くことがなくなった…。そして時間が経って放置される。見ていると、そんな印象を受ける。

末期に近付くと、読者に対する呼び掛けを盛んに行う人もいた。
「僕はこう思います。皆さんはどうですか?」。コメントは皆無だ。その方はリアクションのない虚しい問い掛けを何度か繰り返し、最後に「僕のブログって面白いと思います?」という頼りない書き込みを最期に、更新を終えた。3年前の春である。
彼は何を望んだのか。多くの人が立ち寄る、賑やかなブログを夢見たのだろうか。

ブログのランキングサイトを見ても、上位のブログが面白いとは限らないので難しい。正直、素人が自分から積極的にアクセス上昇を狙うことには限界があると思っている。一日何千何万というアクセスを誇るブログはほんの僅かで、実際、大部分のブログのアクセス数は10〜100と見るのが妥当だ。
ブログに対する妙な期待と幻想は、一時期のマスコミ報道が元凶であると考える。

「何でもない主婦が自身が作る毎日のお弁当の写真をブログに掲載したところ評判となり本まで出した」とか「アフィリエイトで月収120万円」とか。
『誰でも工夫次第で可能』を強調していた気がする。しかし、その工夫が難しい。
そんな夢を追って、大量に増殖したブログ。夢破れて増殖するネット廃墟。ゴールドラッシュの跡を見るようで、何とも言えない気持ちになりますよね…。