同じ透析施設へ通っている患者さんに、Xさんと仰る方がいらっしゃいます。

今の施設に俺が通うようになり、最初に言葉を交わした患者さんで、色々と良くして下さったこともあり、ちょっと思い出深い方でもありました。

そんなXさんはご高齢(実際の年齢は知らない)で、ご自身でクルマを運転されて血液透析へ来るものの、時季によって帰る頃には暗くなり、いささか目が悪いと言うこともあって、「夜道が怖い」と施設に頼んで血液透析を受ける時間を変えて貰ったそうで。

従って、今までずっと同じタイミングで血液透析を受けていたXさんと顔を合わせなくなってしまいました。

それから何日か、Xさんを見掛けないものですから、心配したのか別の患者さんであるトコロのYさんが、同じく待合室で寛いでいたZさんとの会話の中で

「Xさん、どうしちゃったんだろう?」

と気にされている様子。

俺は上のような事情を知っていたので、YさんとZさんの会話へ割り込むようなカタチで、Xさんが透析を受ける時間を変えた旨、ご説明申し上げました。

「あー。目がねぇ。Xさんも随分と歳だもんね」

「あの人、透析何年受けてんの?」

「いや、すごいらしいよ。もう30年とか何とか」

そんなYさんとZさんの会話。しかし30年とは驚きです。その件に関しては俺も全く知らず、ついついそのまま会話へ乗ってしまいました。

「30年も!?俺(38歳)が8つの頃から透析を…」

すると、いつも豪快なZさん。

「8つ?nanny君、勘定がおかしいよ。30年だよ?」

「え?おかしくないですよー。俺が38だから30年前なら8歳になります」

「38?そんなに行ってんの?ずっと平成生まれかと思ってた!」

「とんでもない!ズブズブの昭和ですよ!昭和!昭和51年の辰年!」

「あー、そっかー。いつから何を勘違いしてたんだ?ずっと平成生まれだと思ってたよー。あっはっは」

今年は平成26年ですから、Zさんの中では少なくとも俺=26歳以下だったと言うことになります。

もっともZさんは実に豪胆な方で、悪く言ってしまえばいささか大雑把な印象もある方(失礼)ですから、具体的に今年が平成26年だから〜なんてことは特に考えず、とにかく俺=平成生まれと何かの拍子に思い込んだままでいたのだと思うのだけれど、実はちょっとだけ嬉しかったりしました(笑)

まぁ俺は結婚もしていませんし、ろくな仕事もしておらず、大きな責任を負うようなことがないせいか、若く見られることも度々です。

「若い」と言われれば嬉しい一方、そろそろ40も手前となると、『貫禄がないんだろうなぁ…』と少々恥ずかしかったりもします。

振る舞いや言動にしても「若い」と言うより寧ろ「子供っぽい」しなぁ…。

ちょっとした自慢のつもりで書き始めた記事だったのですが、何だか恥ずかしくなって来ました(^_^;;)

大人しく筆を置くことにします(笑)