また夜中に目が覚めた。
表では雨が降っているらしい。
てんてん、てんてん、
と、雨垂れの音が聞こえている。
それが自然のものとは思えないぐらいに決まった一定のリズムで
てんてん、てんてん。
そんなふうに単調で退屈に繰り返される音を暗闇の中、それも心地良い布団の中で聞いていれば、催眠効果というか入眠作用というか、心が落ち着くか麻痺するかして、すとんと眠りに落ちそうな気さえするのだが、その一定のリズムが却って気になり眠れない。
てんてん、てんてん。
考えてみれば、何だか靴のつま先で硬い床をコツコツと苛立たし気に鳴らす貧乏ゆすりのようでもあり、全く心地良いとも言い切れない音だ。
更に聞いていると、リズムが弱くなって来たような気がする。
少し雨が弱まったのかもしれない。
途端に眠気が訪れた。
リズムというより音の大きさか。
さっきまではボタボタと少しうるさいぐらいだった。
てんてん、てんてん。
今度は音から苛立ちを感じない。
優しいリズムだ。
これなら眠れそう。
再び目を閉じてみる。