小学生の頃、時代劇が好きだった。今でこそテレビで放送されている時代劇は少ないが当時は水戸黄門をはじめ、必殺シリーズや、大岡越前、遠山の金さんなど、再放送も含めバラエティに富んだ様々な時代劇が放送されていた気がする。

その中で古い時代劇によく見られたのが拷問や陵辱の場面である。男女問わずだったが、十字に縛り上げられ丸太で何度も叩かれたり、抱き石を抱えさせられたり、逆さ吊りにされて水に頭から浸けられたりする。子供心にも何だかそれはタブーに感じられて、親の前で見るのは照れくさく、俺にとっては、単純なベッドシーン、濡れ場よりも拷問場面の方がよっぽど刺激的であった。

というのも当時イジメられていたことに起因するのかもしれない。俺が受けていたイジメは暴力的なものだった。ジャングルジムに括り付けられボールを滅茶苦茶に当てられる。冬場ハダカに剥かれて全身に平手をくらう。実際に拷問チックなモノもあったと思う。

ある日、イジメられながら唐突に頭の中で、拷問を受ける美女と、自分がオーバーラップしたのである。その瞬間の恍惚を忘れられない。罵倒され、身動きの取れない状態で足蹴にされ、砂にまみれてボロ雑巾のように扱われている自分を、とてもセクシーなモノに感じて、苦痛も忘れて勃起してしまったのである。当時は性的な興奮を覚えると勃起するなどという知識はまだなかったから、いじめられているうちに妙な気分になって、突如固くなる自分自身が不思議だったものだ。

それ以来かどうか、どちらかというとマゾヒストである。「痛ぇなこの野郎」とか「やめねぇとぶっトバすぞ」とか言うけど本当はちょっと喜んでます。