そんな経験があるので「へぇ大阪の女の子とつきあってたのか。どんな感じなの?」といわれても俺は「別に普通やったで」としか答えられないのだ。確かに大阪には東京に比べればたこ焼き屋さんは多い。トンデモナイかっこうをした派手なオバチャンもいる。東京よりは阪神ファンの数だって多いだろう。しかしそれはあくまで傾向であって全てではない。

よって個性というものがある以上、その民族、一定のグループの中で平均化して、ある極端なイメージを見出したところで大した意味などない気がするのである。

そう考えると東京人と大阪人の圧倒的な差異などはせいぜいが言葉ぐらいで、その壁さえ越してしまえば所詮「人と人」なのだ。事実、俺とつきあっていたその大阪の女性も(最終的には別れてしまったが)つきあい始めた段階で、「絶対東京の人とはあかんと思っとった」そうだ。彼女も恐らく東京人の平均化された傾向に惑わされていたのだろう。