手頃な価格のレーシック手術(近視矯正手術)を売り文句にしていた「銀座眼科(溝口朝雄院長)」で同手術を受けた患者50名が、ずさんな手術によって角膜炎等を発症したとして損害賠償を求め提訴。
俺も近眼なので件のレーシック手術には以前から関心があった。何でも、レーザー光線を当てて角膜を削る手術なのだそうだ。
以前勤めていた会社の上司が、まだ世間でそれ程この手術が認知されていない頃に受け、「よく見えるようになった」と喜んでいたのを覚えている。彼の話では両目で60万円程度費用がかかったとのことだった。

現在の手術費用は10〜50万円といったトコロらしいが、この「銀座眼科」は95000円〜105000円で手術を請け負っていた。確かにこの価格は魅力だろう。眼鏡を二組購入する位の代金で手術を受けることができてしまう。
俺も中学校入学と同時に眼鏡をかけ始め、以来ずっと眼鏡一筋だが、かけたり外したりは煩わしいし、レンズは汚れるし、プールや浴場には入れないしと確かに不便だ。

一方でコンタクトレンズという選択肢もあるが、こちらも使用したことのない俺が勝手に持つイメージは「目に直接入れるのが怖い」、「『乾く』だの『貼りつく』といったネガティブな言葉をたまに聞く」、「落としたら大変」、「メンテナンスが面倒」、「使い捨ては金がかかる」と余り良いものではない。
世の中に眼鏡派、コンタクト派が両方存在する以上、どちらが良いとは決められたものではないだろう。

しかしレーシック手術を受け、無事視力が矯正されれば、その後は眼鏡もコンタクトレンズも不要となる。近眼の者にとってこれ程嬉しいことはない。
確かに、レーザーで目を削るという少々荒っぽい手段から、悪い話も聞く。社会保険も利かない。漠然と「何だか怖そうだ」というイメージを抱く方も多いのではなかろうか。

そんな中にあっての今回の事件だ。万全の態勢で手術に望んだにも拘らず失敗してしまったのならば、まだ納得できそうなものだが、どうもそうではないらしい。今回訴えを出したのは50名という大人数であり、実際の「被害者」は更に多い。
しかもこの溝口院長には他にも、自らが経営する別のクリニックを、保健所に届けを出さず開業いていた疑いまである。

やっと市民権を得たレーシック手術をそろそろ受けてみようかと思われている方も増えてきているだろうこの時勢にこの事件だ。
直接被害に遭われた患者さんは勿論のこと、レーシック手術を行っている医療関係者にも少なからずダメージは及ぶだろう。
少なくとも俺は、この報道を見て以来(「銀座眼科」に関する報道は今年初頭からあった)、もうレーシック手術はするまいと決めてしまった。一生眼鏡で良い。

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